タッチアップという走塁の戦術を使うと、効率良く先の塁へ進塁をすることができるようになりますが、ルールがあるため把握しておく必要があります。
野球のタッチアップのルールとやり方、成功させるコツを解説していますので参考にしてみてください。
野球におけるタッチアップとは？
タッチアップとは、野球でバッターがフライ、またはライナーを打った際、野手がフライ、またはライナーを捕球した後、塁上のランナーが先の塁へ進塁を試みる走塁の戦術のことを言います。
バッターがフライ、またはライナーでアウトになり、本来であればランナーは進塁ができないケースでも、タッチアップをすることで進塁が可能になります。
タッチアップをする際のルール
無駄なアウトを減らし効率良く先の塁へ進塁ができるタッチアップは、積極的に使用したい走塁の戦術ですが、ルールがあるためルールを把握しておくことが必要です。
逆に無駄なアウトが増えてしまう、ということにならないように、ここでは野球でタッチアップをする際のルールを解説していきます。
リタッチの義務を果たす
野球でバッターの打球がゴロになった場合、塁上のランナーは自由に走塁をすることができますが、フライやライナーになり野手が捕球した場合、ランナーはバッターが打つ前にいた塁のベースを踏まなければならない、というルールがあり、これをリタッチと言います。
タッチアップをする際はこのリタッチの義務を果たすことが必要で、ランナーはこのルールを頭に入れておかないとアウトになってしまう可能性があるため注意しましょう。
フライやライナーを野手が捕球した場合だけではなく、打球がファウルになったケースでもランナーはリタッチをするルールになっています。
ファウルになった後にリタッチをしないとどうなるんですか？
ランナーがリタッチをするまで審判は試合を再開しません。
忘れないようにしないといけないですね！
タッチアップができる条件
無死または一死で塁上にランナーがいる
ノーアウト、またはワンアウトのケースであれば、塁上のランナーはタッチアップを試みることができますが、ツーアウトの場合はフライ、またはライナーを野手が捕球した段階でスリーアウトでチェンジになってしまうため、タッチアップをすることはできません。
ランナーは一塁、二塁、三塁、どの塁にいてもタッチアップが可能で、2塁ランナーと3塁ランナーなど、複数のランナーが同時にタッチアップをしても問題ありません。
外野、内野へのフライまたはライナー
フェアエリアへのフライやライナーがタッチアップの条件だと思っている人もいるかもしれませんが、ファウルエリアへのフライやライナーでもタッチアップをすることが可能です。
また、野球でタッチアップをしているケースが少ないですが、外野だけではなく内野へのフライやライナーもタッチアップの条件になるため、内野へのファウルフライで内野手がグラウンドに背中を向けた体勢で捕球した場合などにタッチアップを試みることもできます。
インフィールドフライ
インフィールドフライとは、特定の状況でバッターが内野フライを打った際、野手が問題なく普通に捕球できるフライだった場合、自動的にバッターが即時アウトになるルールことを言います。
インフィールドフライでもタッチアップをすることができますが、インフィールドフライはファウルエリアの内野フライには適用されないため、内野手がボールインプレーであることを失念していない限り、タッチアップを試みるのは難しいでしょう。
ボールインプレーって何ですか？
試合が止まらずプレーが継続している状態のことです。
そういう意味なんですね！
インフィールドフライに関して詳細を知りたい方は以下をご覧ください。
タッチアップと犠牲フライの違い
犠牲フライとは、野球でランナーがタッチアップによる進塁で本塁に生還して点が入ることで、同じタッチアップでも本塁以外の塁へ進塁をした場合は犠牲フライにはなりません。
犠牲フライは三振やホームランといった、バッターの打撃記録のひとつで、タッチアップは盗塁などの走塁の戦術のひとつ、という点が違いになります。
タッチアップのやり方
塁を踏んで待機し捕球直後にスタートを切る
野球でタッチアップを試みる際、リタッチの義務を果たしていればいつスタートを切っても問題ありませんが、野手がフライ、またはライナーを捕球した後にベースを踏んで走塁を開始すると、スタートが遅くなりアウトになる確率が高くなります。
このため、野手がフライ、またはライナーを捕球する前にベースを踏んで待機し、捕球した瞬間にスタートを切る、というのがタッチアップの基本となるやり方です。
タッチアップをする際の注意点
離塁が早くならないようにする
ベースを踏んで待機している際に早くスタートを切ろうとして、野手が捕球する前にベースから離れないように注意が必要で、守備側が離塁が早いと審判にアピールするとアウトになってしまいます。
ただし、守備側がアピールしなかった場合はアウトにはならず、そのままの状況で試合が継続するため、野球でタッチアップができるケースでは、守備側も離塁のタイミングを見逃さないように注意しなければなりません。
フライを落球した場合のタッチアップ
タッチアップが成立するのは野手がフライ、またはライナーに触れた時点で、捕球できずに落球した瞬間にスタートを切ってもリタッチの義務を果たしたことになるため、走塁をやめて塁に戻る必要はありません。
野球でタッチアップ時に野手が落球したため離塁が早くなったと勘違いをして慌てて塁に戻る、というようなことがないように注意しましょう。
捕球することが条件ではないんですね！
捕球を条件にしてしまうと、あまり現実的ではありませんが、野手が捕球せずにお手玉しながらランナーに近づいてタッチアップを阻止する、ということができてしまうからなんです。
なるほど！
それを防ぐためなんですね！
タッチアップを成功させるコツ
フライやライナーでも先の塁へ進塁ができるタッチアップは、活用したい走塁の戦術ですが、失敗するとダブルプレーになってしまうため、失敗するリスクを減らすことができるように、コツをつかんでおく必要があります。
では、野球でタッチアップを成功させるコツとはどのようなものなのか、具体的に見ていくことにしましょう。
打球方向と捕球の瞬間を確認できる体勢を作る
タッチアップは野手がフライやライナーを捕球する前に、すぐに走塁ができる体勢を作っておくことが重要ですが、打球の行方が確認できないとスタートを切る判断が難しくなってしまいます。
打球方向に背中を向けてしまうと、打球を見るには身体を捻る必要があり、走塁の体勢を作りにくくなるため、打球方向に身体の正面を向けた体勢でベースを踏んで待機するのがコツです。
身体の正面を向けると走塁の体勢を維持したまま、頭だけを動かして打球方向と野手が捕球する瞬間を見ることができるため、スタートを切るまでの流れがスムーズになります。
タッチアップができる距離感を把握しておく
打球に対して、タッチアップを試みるためにベースに戻るのか、塁間で落球や野手の間を抜けるケースに備えるのか、バッターが打った瞬間に判断することが重要で、特にライナーの場合は判断する時間が限られてしまいます。
このため、相手チームの野手の肩の強さと、自分の走力を加味したうえで、どのくらいの距離があればタッチアップを試みることができるのか、捕球する野手との距離感を把握しておくのがコツです。
距離感を把握しておくことで、野球で外野手が捕球できるか判断が難しい打球に対して、最初は塁間で捕球できないケースに備え、捕球できると判断したタイミングでベースに戻り、捕球した瞬間にタッチアップでスタートを切る、という動きも可能になります。
タッチアップができる状況を見極めて効率良く進塁をしよう
タッチアップはフライやライナーで先の塁へ進塁ができる反面、失敗するとチャンスを潰してしまうことになりかねないため、一瞬の判断ミスが命取りになります。
野球でタッチアップを使用して効率良く進塁をするために、ここまで解説してきたタッチアップのルールとやり方、注意点や成功させるコツを頭に入れて、ミスのない素早い状況判断ができるようにしておきましょう。
