【変化球】カーブの握り方と投げ方のコツを解説

変化球カーブ

野球でピッチャーが投げる変化球にカーブという球種がありますが、どのようにボールが変化するのでしょうか。
カーブを投げる際のボールの握り方とリリース、そしてカーブの投げ方が上手くなるコツを詳しく解説していますので参考にしてみてください。

変化球カーブとは?

カーブの軌道

野球でピッチャーが投げるカーブとは、ボールをリリースした利き腕とは逆の方向へ、山なりの軌道で曲がりながら落ちていく変化球のことを言います。

ピッチャーの投げる変化球の中では球速が遅い部類に入るため、バッターのタイミングをはずしたり、カウントをとる目的で使用するのが一般的ですが、キレのあるカーブを投げることができれば、決め球にもなり得る球種です。

野球でカーブを投げるメリット

以前は野球でピッチャーが最初に覚える変化球はカーブ、と言われるほどメジャーな球種でしたが、最近は他の変化球を使うピッチャーが多くなっているのが現状です。

そうなんですね…。

しかし、カーブには他の変化球にはないメリットがあるんです。

メリット!知りたいです!

では、カーブを投げるとどのようなメリットを得ることができるのか、具体的に解説していきます。

バッターの目線を変えることができる

カーブは、山なりの軌道で曲がりながら落ちていく変化球なため、バッターの頭上に近い所からボールがリリースされます。

通常よりも高い位置からボールがくることで、バッターは一度目線を上に向ける必要があり目線がぶれやすく、目線がぶれると軸もぶれやすくなってしまうため、ボールをとらえるのが難しくなります。

野球で右ピッチャーと右バッターの対戦時にカーブを投げた際、バッターは自分の頭に当たると思いしゃがんだが、そこからボールが曲がりながら落ちてきてストライクになった、というケースもあるほどです。

バッターのタイミングをずらすことができる

野球でピッチャーがカーブを投げる際、他の変化球よりも球速が遅くバッターに届くまで時間があるため、ボールにより多くのカーブ回転をかける投げ方が可能で、回転がかかっていればいるほど、曲がりも落差も大きくなります。

ボールに多くの回転のかかったカーブを投げることができれば、バッターの手前でブレーキがかかり、バッターのイメージ通りにボールがこないため、タイミングを合わせるのに苦労する変化球になるのです。

ストレートを速く見せることができる

ピッチャーが直前に投げた球種やコースは、バッターに残像として残りやすくなるため、カーブはその特性をうまく利用できる変化球です。
カーブを投げた後にストレートを投げると、球速の遅いカーブのイメージがあるため、タイミングが遅れストレートに差し込まれやすくなります。

野球でストレートが遅くて自信のないピッチャーでも、カーブを駆使することでバッターがストレートに振り遅れる、というケースを作りやすくなるんですね。

カーブを投げる際の注意点

カーブの注意点

カーブのメリットを活かせば大きな武器になりそうですね!

そうなんですが、カーブの投げ方は独特なため、注意しなければならない点があるんです。

注意点…?

このため、まずはカーブの投げ方における注意点とはどのようなものなのか、先に把握しておくことにしましょう。

コントロールにバラツキが出やすい

山なりの遅いボールを真ん中に投げるのと、普通にストレートを真ん中に投げる難易度を比較した場合、難易度が高いのは山なりの遅いボールを真ん中に投げる方になります。
山なりの遅いボールは、ボールが落ちて真ん中にいくような軌道を予測した投げ方をしなければならないのが理由です。

カーブはその投げるのが難しい山なりのボールであることに加え、さらにカーブ回転をかける必要があるため、他の変化球の投げ方以上にボールのリリースに注意しないとコントロールが安定しません。

リリースポイントの違いが他の変化球より大きい

速いボールを投げる際、前の方でボールをリリースしますが、球速の遅いカーブを投げる場合、上の方でボールをリリースする必要があるため、カーブを多投するとリリースポイントの影響を受けやすくなってしまいます。

野球でストレートなどの速いボールの投球時に、その影響で通常よりも上の方でボールをリリースする投げ方になりやすく、ボールが高めに浮いてしまうため注意しなければなりません。

カーブのボールの握り方と投げ方

カーブの投げ方

カーブを投げるには、以下の2点が重要なポイントです。

ボールを抜くことができる
回転を多くかけることができる

この2点を満たす投げ方とボールの握り方にすることで、球速の遅い山なりで曲がりながら落ちる軌道になります。
ボールを抜くことができいないと、ワンバウンドしてしまうような投球になり、回転をかけることができないと、変化球ではなくただのスローボールになってしまいます。

このため、ここではカーブの投げ方に加え、自分に合ったカーブの握り方を見つけることができるように、5種類のカーブの握り方を解説していきます。

カーブの握り方①

カーブの握り方

人差し指を縫い目に沿うようにかける
人差し指と中指の間は開けずに中指の指先を縫い目にかける
親指を縫い目にかけずに人差し指と中指の対角の位置で支える

人差し指と中指の力でボールにカーブ回転をかけ、親指を縫い目にかけないことでボールを抜けやすくする、比較的オーソドックスな持ち方です。

野球で初めてカーブの投げ方に挑戦するという人は、まずこの握り方で投げてみるといいでしょう。

カーブの握り方②

カーブの握り方

人差し指を縫い目に沿うようにかける
人差し指と中指の間は開けずに中指の指先を縫い目にかける
親指を縫い目にかけ人差し指と中指の対角の位置で支える

親指も縫い目にかける持ち方にすることで、親指の力もボールに伝わりやすくなるため、カーブ回転をより多くかけることができます。
親指の力を伝えやすくするために、親指は腹の部分ではなく側面が縫い目にかかるように握るのがコツです。

カーブを投げた際に、思ったより回転がかからない、という人向けの握り方になります。

カーブの握り方③

カーブの握り方

人差し指を縫い目に沿うようにかける
人差し指と中指の間は開けずに中指の指先を縫い目にかける
親指を縫い目にかけずに中指の下の位置で支える

ボールの縦半分を握るため、ボールを安定させるのが難しくなりますが、握り方①よりもボールが抜けやすくなる持ち方です。

リリース時にボールがすっぽ抜けてしまう可能性があるため、ボールを握る握力が必要な握り方になります。

カーブの握り方④

カーブの握り方

人差し指を宙に浮かせる
中指を縫い目に沿うようにかける
親指を縫い目にかけ中指の対角の位置で支える

中指と親指の力だけでカーブ回転をかけるため、回転がかかりにくくなりますが、人差し指を使わないことでボールが抜けやすくなる持ち方です。

回転をかけることはできるが、どうしてもうまくボールが抜けない、という人はこの握り方を試してみましょう。

カーブの握り方⑤

カーブの握り方

人差し指を縫い目の細い部分に沿うようにかける
親指を人差し指と平行の位置の縫い目にかける

ボールの下半分を人差し指と親指で挟むように握るため、カーブ回転をかける難易度が高くなる反面、一番ボールが抜けやすくなる持ち方です。
少し特殊ですが実践はもちろん、カーブやチェンジアップなどボールを抜く変化球を初めて投げる、という人がボールを抜くコツと感覚をつかむのにも向いている握り方になります。

ストレートを投げるように腕を振ってもボールが抜けるため、野球の練習でキャッチボールをする際にこの握り方にすることで、ボールを抜くコツと感覚をつかむことができます。

カーブのリリース時の腕の使い方

カーブのリリース時の腕の使い方

野球でカーブを投げる際、どの握り方でも腕の使い方は同じで、 テイクバックして腕がトップの位置に近くなった段階で以下のようにリリースします。

小指をキャッチャーの方向に向ける
人差し指と親指からボールを抜くようにリリースする

投球時にストレートを投げる時と同じように腕を振ってリリースすることが重要で、ボールを抜こうと意識し過ぎて腕の振りが鈍くなると、ボールがあまり回転せず、曲がりも落差も小さくなってしまいます。

また、腕の振りが鈍くなることで、バッターに遅いボールがくると読まれてしまうリスクもあるため、腕の振りには注意するようにしましょう。

カーブの投げ方が上手くなるコツ

カーブ上達のコツ

実際に野球でカーブを投げた際、ボールをうまく抜くことができない、思うように回転がかからず曲がりや落差が安定しない、という人は投げ込みの練習で感覚を覚えることが重要になります。

また、それに加えて投げ方のコツをつかむことも必要になるため、ここではカーブの投げ方が上達するコツとはどのようなものなのか、具体的に見ていくことにしましょう。

ボールを浅く持つ握り方でリリースする

ボールを浅く持つ握り方

ボールと手のひらを密着させて握ると、カーブ回転がかかりにくく、ボールも抜けにくくなってしまうため、ボールと手のひらに隙間を作り、浅く持つ握り方でリリースするのがコツです。

実際に野球でうまくカーブを投げることができない、という人はボールを浅く持つ握り方になっていない可能性があります。

カーブ以外にもボールに回転をかける球種を投げる場合は、ボールを浅く握る持ち方にすることが重要です。

ボールは軽く握ってリリースする

ボールを強く握るとカーブ回転がかかりやすくなりますが、ボールが抜けにくくなってしまうため、ボールが不安定になるくらいのイメージで、軽く握る持ち方でリリースするのがコツです。

腕をしっかり振ることができれば、回転がかかりやすい握り方にしているため、ボールを抜くことを優先するようにしましょう。

手首を使わずにリリースする

リリース時に手首を使うことをスナップを利かせるとも言いますが、カーブのようなボールを抜く変化球を投げる際は、手首を使わずに腕の振りだけでリリースするのがコツです。
手首を使うとボールにカーブ回転がかかりやすくなりますが、ボールが抜けにくく球速を遅くするのが難しくなります。

また、ボールを曲げようと手首を捻ってリリースしてしまうと、肘に負担がかかり故障の原因になるため注意が必要です。

ボールが上方向に抜けるイメージでリリースする

ストレートと同じ前の方でボールをリリースしてしまうと、球速が遅いためキャッチャーまで届かないカーブになってしまいます。
このため、テイクバックして腕がトップの位置になった段階で、ボールが上方向に抜けていくようなイメージでリリースするのがコツです。

野球の投球練習で、最初はキャッチャーの手前でワンバウンドさせる感覚でボールをリリースして、少しずつリリースポイントを調整していくといいでしょう。

手の甲をキャッチャーの方向に向けてリリースする

リリース時に手の甲をキャッチャーに向ける

小指をキャッチャーの方向に向け、ストレートと同じように腕を振る投げ方にしていても、カーブ回転がかかりにくい場合は、手の甲をキャッチャーの方向に向けるようにしてリリースするのがコツです。

腕がトップの位置に近くなった段階で、小指がキャッチャーの方向に向いている状態から、手の甲がキャッチャーの方向に向くように手を動かして腕を振ることで、ボールにカーブ回転の力が伝わりやすくなります。

ボールをリリースした後に、手のひらが上を向いているイメージで投げるようにしましょう。

カーブを活かしてバッターを翻弄しよう!

バッターがボールを長く見ることができる遅いボールは、高めに浮くと打たれやすくなってしまうため、野球でカーブを使うにはリスクがあると思うかもしれませんが、あまり見たことがない軌道でバッターが対応しにくい、という強みがある変化球です。

キレのあるカーブを低めにコントロールできるようになれば、緩急をうまくつけることで投球の幅が広がり、バッターのタイミングをはずして翻弄させることも可能なため、是非カーブの取得に挑戦してみてください。

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