シャドーピッチングの効果とは?理想的な投球フォームに!

シャドーピッチング

野球でピッチャーが行う練習にシャドーピッチングというものがあります。
シャドーピッチングは理想的な投球フォームを身につけるための練習方法のひとつです。
シャドーピッチングの効果と、投球を上達させる具体的なやり方を解説していますので参考にしてみてください。

シャドーピッチングとは?

シャドーピッチング

シャドーピッチングとは、ピッチャーが投球動作だけを繰り返し行う練習方法で、ボールは投げません。
実際に野球でピッチャーをした際に活かすことができるように、投球フォームの問題点の修正や、リリースポイントの確認など、悪い箇所を改善するのに効果的な練習のやり方です。

また、野球の練習でシャドーピッチングを行うことで、理想的な投球フォームを身につけて、ピッチングを上達させることもできるんですね。

シャドーピッチングの具体的な効果

ピッチャーの投球動作は全て、シャドーピッチングの練習で身につけていく、と言っても過言ではありません。
シャドーピッチングで練習したやり方が野球で実践できなければ、投球を上達させることができないくらい、ピッチャーにとって非常に重要な練習方法のひとつなのです。

では、シャドーピッチングを野球の練習で行うと、どのような効果があるのか、具体的に見ていくことにしましょう。

投球フォームのバラツキを防ぎやすくなる

投球フォームが安定していないピッチャーは、狙ったコースにボールをコントロールできない、という制球難に苦しむケースが多くなります。

野球でピッチャーをした際に、同じ投球フォームで投げているつもりでも、実際には細かなバラツキがあり、同じ投球フォームになっていないのが原因で、コントロールの精度も上がりません。

シャドーピッチングで自分の投球フォームを確認することで、細かな違いに気づきやすくなり、その部分を修正していくことができるようになります。

バランスのとれた投球フォームにすることができる

単純に腕を強く振れば、力強く速いボールを投げるピッチャーになれる、という訳ではなく、体重移動などを含めた全体のバランスが重要です。

シャドーピッチングの練習を行えば、足を上げてから体重移動、そしてリリースまでの流れをチェックして、力を入れるポイントを把握できるため、バランスのとれた投球フォームにすることができ、球速アップにも繋がります。

腕を強く振ることだけを意識し過ぎてしまうと、投球フォームにバラツキが出やすくなることに加え、肩や肘の故障の原因にもなるので注意しましょう。

シャドーピッチングの練習方法

シャドーピッチングの練習って具体的にどうやるんですか?

ボールの代わりにタオルを使用するのが一般的ですね。

タオル!手軽にできるんですね!

シャドーピッチング専用の器具を使用するやり方もありますが、タオルでも十分に効果を得ることができるため、ここではタオルを使用したシャドーピッチングの練習方法を解説していきます。

ボールを握るようにタオルを持つ

シャドーピッチング

野球の練習でシャドーピッチングを行う際、以下のどちらかのやり方でタオルを持ちます。

タオルの真ん中を人差し指と中指に引っ掛け、ボールを握るように持つ
タオルの端を結び、その部分をボールを握るように持つ

ボールを握るようにタオルを持って腕を振ることで、抵抗があり少し負荷がかかるため、実際に野球で投球する感覚に近い状況を作ることができます。

何も持たないやり方で腕を振ってしまうと、肩や肘の故障の原因になってしまうため、必ずタオルを持ってシャドーピッチングを行うようにしましょう。

鏡を使って自分の投球フォームをチェックする

シャドーピッチングを行う際、投球フォームやリリースポイント、体重移動の流れなど、自分の投球に関する動きをしっかりと把握することが重要なため、鏡を使って自分の投球フォームを見ながらチェックするのが効果的な方法です。

鏡を使用しないシャドーピッチングのやり方では、判断材料が自分の感覚だけになってしまうため、正確とは言えず効果が薄れてしまいます。

問題を修正するには、鏡を使用して自分を客観的に見て把握することがポイントなんですね。

投球動作に無駄な力が入らないようにする

シャドーピッチングではなく、投球練習でも確認できるのではないか、と思う人もいるかもしれませんが、ボールを投げないことが重要なのです。
投球練習ではボールを投げることを意識してしまうため、身体に余計な力が入り、投球に関する動きのチェックが難しくなってしまいます。

このため、野球の練習でシャドーピッチングを行う際は、ボールを投げるつもりで腕を振るのではなく、投球動作の流れの中で腕を軽く振り、身体に無駄な力が入らないようにするのが効果的です。

シャドーピッチングで投球を上達させるやり方

自分のピッチングに関する動きを見直し、投球が上達するように矯正するのが、野球の練習でシャドーピッチングを行う目的で、ただ単純に腕を振っていただけでは効果が薄れてしまいます。

このため、ここでは投球を上達させるには、どのようなシャドーピッチングのやり方が効果的なのか、具体的に見ていくことにしましょう。

足を上げた時の軸をまっすぐにする

シャドーピッチング

野球において投球動作は回転運動のため、投球時に足を上げた際、回転の元となる軸がぶれていると、スムーズに体重移動が行えず、ボールに十分な力を伝えることができません。

力強いボールを投げるには、野球の練習でシャドーピッチングを行う際、足を上げた時に頭から軸足までが一直線で、まっすぐ立った状態になっているか、チェックすることが重要になります。

鏡を見る方法でシャドーピッチングを行うと確認しやすいですね。

肩が早く開かないようにステップする

ピッチャーの場合、足を上げてからステップする前に、グローブをはめている方の肩が、キャッチャーの方向を向いてしまうことを、野球では肩が早く開くと言います。
肩が早く開くと、しっかりと体重移動できないため、ボールに力が伝わりにくくなり、ボールがシュート回転する原因にもなってしまうのです。

このため、シャドーピッチングを行う際、足を上げた後にキャッチャーに背中を見せるイメージで、少し上半身をひねってからステップすると、肩が早く開くのを矯正できます。

体重移動は下半身を意識する

投球を上達させるには、体重移動も非常に大事なポイントで、体重移動がスムーズに行えると、腰の回転と腕の振りの回転による力がボールに伝わり、キレのある速いボールを投げることができるようになります。

野球の練習では、足を上げた後に最初に腰をキャッチャー方向へ動かすイメージで、腰を意識して体重移動するようにシャドーピッチングを行いましょう。

この体重移動のやり方は、腰と肩が回転して自然と腕が出てくる感覚になり、腕に無理な力を加えなくても、力強いボールを投げることが可能になります。

テイクバックは腕が身体の横にくるようにする

シャドーピッチング

足を上げた後のテイクバック時に、腕を二塁方向へ引き過ぎてしまうと、野球ではかつぎ投げと言われる投球フォームになってしまうため、腕を二塁方向へ引き過ぎないようにすることが重要なポイントです。

かつぎ投げは肘が下がりやすく、肩への負担も大きくなり、故障の原因になってしまうため、鏡を見ながらシャドーピッチングを行い、テイクバック時に腕の位置が身体の横にくるイメージで、腕を内側に捻りながら下げ、肘は肩と平行になるまで上がっているかチェックしましょう。

また、腕を身体の横にくるようにして、コンパクトなテイクバックすることで、腕の振りがスムーズになり、コントロールが上達する効果もあります。

かつぎ投げ…?

野球ではアーム投げとも言いますが、手のひらを正面に向けたままテイクバックして投げてしまうことです。
手のひらに物を握らずに置いて、落とさないようにテイクバックして投げる、とイメージするとわかりやすいかもしれません。

物をかつぐようにして投げるから、そういう名前なんですね!

肩・膝・足先が同じライン上に並ぶように投球する

シャドーピッチング

野球では野手の送球時も同様ですが、ピッチャーも身体が送球先に向いていないと、思った所にボールを投げることが難しくなるため、シャドーピッチングの練習を行う際、以下の方法で投球時の身体の向きを確認することも重要になります。

投球する方向に真っすぐラインを引き、ライン上に立つ
足を上げた後、両肩、両膝、両足先がラインに沿って真っすぐ並ぶようにステップする
ステップした足の膝とつま先、肩が真っすぐライン上になるように腕を振る

このシャドーピッチングのやり方も、コントロールを上達させる効果のある練習です。

両肩と肘が同じ直線上に並ぶようにリリースする

シャドーピッチング

ボールのリリース時に肘が下がっていると、身体の回転の力をボールに伝える効果が薄れることに加え、肘に負担がかかり故障の原因になってしまいます。
このため、鏡を見ながらシャドーピッチングを行う際、リリースの瞬間に一度動きを止め、両肩と肘が同じ直線上に並んでいるか確認するようにしましょう。

地面との角度は関係なく、両肩を結んだ直線上に肘があるか、というのがポイントなため、野球をする際にサイドスローやアンダースローのフォームで投げる、というピッチャーでもチェックする部分とやり方は同じです。

実践を想定したシャドーピッチングのやり方

これまで解説してきた、野球で投球を上達させる、効果的なシャドーピッチングのやり方を練習で繰り返し行い、チェックして矯正していけば、理想的な投球フォームになっていくはずです。

そして、理想的な投球フォームを身につけることができれば、実践を想定したシャドーピッチングができるようになるため、ここではその練習のやり方を具体的に解説していきます。

ムチがしなるような腕の振りにする

シャドーピッチング

投球時に腕先の力が抜けていると、ボールの重みで肘が先に出た後、遅れて腕先が出てくる腕の振りとなり、これがムチがしなるような動きを生み、球速アップにつながります。
最初からボールを強く握ってしまうと、ムチがしなるような腕の振りにはならないため、シャドーピッチングの練習を行う際は、タオルを軽く握って腕を振るように心掛けましょう。

タオルを軽く握って腕を振ることで、実際に野球をした際にボールを軽く握って、力をうまく抜いた状態で投球する感覚をつかむことができるようになります。

手首の向きを意識して腕を振る

腕を振った方向と手首の向きが違っていると、きれいな回転のボールを投げることができず、コントロールも安定しないため、シャドーピッチングを行う際、手首の向きを意識しながら、フォロースルーで手の甲が見えるように腕を振るのがポイントです。

まっすぐ腕を振っているのに、手のひらが一瞬外側を向いているように見えるんですが、大丈夫なんですか?

野球の練習で鏡を見ながらシャドーピッチングを行うと気づくかもしれませんね。
リリースする過程で肩と肘が回転するために起こる、自然な現象なので問題ありません。

正常な動きなんですね!

その動きになれば、腕を振った方向と手首の向きが同じになっていることになります。

実践を意識して投球フォームを変える

実際に野球をしている場合、問題が発生しても気づかないケースも多く、気づいたとしても試合中に修正するのは難しいため、実践を意識して投球フォームを変えながらシャドーピッチングを行うのも効果的なやり方です。

ワインドアップやノーワインドアップ、セットポジションというように、さまざまな体勢からシャドーピッチングを行うことで、各投球フォームの確認ができます。

セットポジションでシャドーピッチングを行う場合は、バランスを崩しやすいクイックモーションも加えるようにしましょう。

ピッチャーも野手も素振りが大事

野球の練習でピッチャーがシャドーピッチングを行うのは、シャドーピッチングでチェックし矯正した投球フォームを、実際に野球をした際にもできるようにすることで、野手がバットを握って繰り返し素振りをするのと同じ目的です。

タオルを使用してボールを投げない練習方法のため、繰り返し行っても身体への負担を軽減でき、鏡を見ながら行うことで、自分の投球フォームをしっかりと見直すことができます。
シャドーピッチングで問題を改善して、理想的な投球フォームを身につけましょう。

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